四国化成工業株式会社
高坂優さん(仮名・法務) 31歳
地方だからこそ増える、仕事のチャンスと、自分の時間。
高坂さんは、Iターンで香川への転職をはたしたリージョナルヒーローだ。出身は兵庫。香川に暮らしたことはなく、具体的な勤務地をイメージしていたわけでもなかった。彼の希望は2つだけ。これまでキャリアを積んできた「法務の仕事を続けること」と、「地方で働くこと」だった。「最初は都会で仕事を探したんですが、うまくいかなかったんです。そこで考え方を変えました。人が少ない地方のほうが、チャンスが多いんじゃないかと」。この方針変更が大当たり。初めて暮らす土地には、都会にも負けない充実した日々が待っていた。(※本記事の内容は、2014年5月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 転職回数
- 0回
- 転職期間
- エントリーから内定まで67日間
転職前
- 業種
- 食品
- 職種
- 法務
- 業務内容
- 上場企業の法務全般を担当
転職後
- 業種
- 化学
- 職種
- 法務
- 業務内容
- 上場企業の法務業務(現在は会社のことを理解するために経理業務に従事)
自分の成長のために、あえて地方をめざす。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
タイヤの原料、プリント配線板の防錆剤等の化学品と、壁材やカーポート等の建材を作っている化学メーカーで働いています。法務として入社しましたが、会社のことを勉強するために、まずは経理業務から始めているところです。経理部のメンバーは11名。そのなかで僕は、毎月の決算業務、四半期の報告書や有価証券報告書の作成、子会社の経理全般などを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
飼料メーカーの総務部で、主に法務関係を担当していました。具体的には、各種報告書の作成や、契約書の作成、債権の回収などです。
転職のきっかけは?
前の会社で扱っていたのは、飼料。ニワトリや豚などのエサでした。しかし2年半ほど勤めた頃からでしょうか、仕事というか、扱う商品がだんだんと物足りなくなってきたんです。もうちょっと複雑な商品のほうが面白そうだなと。飼料は、原料を混ぜるだけ。法務を続けていくにしても、もっと複雑な商品のほうが、自分のプラスになるのではないか?と考えるようになったんです。それで、仕事をしながら徐々に転職情報を探し始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
方法としては、ネットですね。最初は大手に1社か2社登録して、そこから登録先を増やしていきました。というのも、なかなかうまくいかなかったんです。その時の年齢が31歳。大学院から就職した経緯もあって、業務経験年数も短い。おまけにその頃は景気もよくありませんでした。また、もともと「法務」という職種の募集が少ないということもありましたしね。それで、仕事を探し始めて半年後にやっと、リージョナルキャリア香川のコンサルタントから「面接を受けてみませんか?」というお話をいただいたんです。それまでは応募しても面接まで至っていなかったので、そのときが初めての面接となりました。
今の会社に決めたポイントは?
募集職種が「法務」でしたし、化学メーカーということで、取扱商品も面白そう。断る理由はありませんでした。というのも、勤務地にはこだわりがなかったんです。出身は兵庫ですが、地方ならどこでもいいと思っていました。最初は都会で探していたんですが、うまくいかなかったので、考え方を変えたんです。人が集まる都会より、地方のほうがチャンスが多いんじゃないかと。で、たまたま紹介されたのが、香川の会社。ただ、香川には母方の実家がありますし、前の会社の支社もあったので、親近感はありましたね。
18時には帰宅。それから同僚たちとゴルフへ。
転職していかがでしたか?
やりがいはものすごくありますね。会社の規模がそんなに大きくないので、自分でできる範囲が広いんです。化学メーカーなので商品も複雑。種類や個数がものすごく増えました。どこでどういうふうに使われているのか、わからない商品がいっぱいあって(笑)、経理をしていても、イメージするのに苦労しています。でもその苦労は、望むところ。会社のパンフレットやネットで調べたりしながら、商品を勉強していますが、それが楽しいんです。
生活面での変化はいかがですか?
実は、こっちに来てから結婚しました。転職が決まった後に、「一緒に香川に来てほしい」とプロポーズしたんです。彼女は大阪から出たことがなかったので、最初はやっぱり抵抗があったみたいです。ただ、何回か香川に来てもらって、イメージが変わったみたいです。もっと田舎かと思っていたようですが、高松はけっこう都会ですし、大阪からも近いですしね。今はまだ単身で生活していますが、もうすぐこっちで一緒に暮らす予定です。それから、転職してから自分の時間が増えました。勤務時間は、17時15分まで。しかも定時で帰れることのほうが多いんです。今住んでいる社員寮まで自転車で15分ですから、18時前にはもう自分の部屋に帰り着く。最初は「空いた時間をどう使おうか?」と戸惑いましたね(笑)。それから始めたのが、ゴルフ。会社の仲間と打ちっぱなしに行ったり、ナイターのコースをまわったりしています。その他にも、みんなとフットサルをすることもあるし、自分のための勉強をすることもあります。こっちにきて趣味が増えたし、同僚とも仲良くできるので、会社にもスムーズにとけこめました。
困っていることや課題はありますか?
特にありません。むしろ新しい土地のほうが、私は面白いですね。雑誌やネットで調べながら、いろんな店や場所を開拓していけますから。まわりもすごく優しくしてくれます。縁もゆかりもないところへきた自分に、気を使ってくれているのがわかる。そんな温かさも地方の良さだなぁと感じています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
まず、地方だから生活のレベルが落ちる、ということはないと思いますね。物価は安いし、人が大らかなので、都会よりギスギスしていないし。仕事のうえでも、地方のほうがチャンスが多いと思いますよ。都会は人が多いでしょう。でも「地方で働こう」と考えている人は少ない。だから転職のチャンスも多いし、任される仕事の幅も広がります。自分のキャリアアップのためにも、おすすめですよ、地方は。