四国化成コーポレートサービス株式会社
中村晃弘さん(仮名・経理財務) 45歳
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40代からキャリアを拓く。上場企業での経理経験を武器に地方企業変革の最前線へ。
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上場企業で経理の専門性を磨いてきた中村さん。家庭環境の変化をきっかけに、自身の専門性を最も活かせる化学メーカーへの転職を意識するようになり、四国へのIターン転職を決意した。
入社直後から多忙な日々が続いたが、経理の枠にとらわれない多様な業務にやりがいを感じ、現在は財務領域にも挑戦している。45歳で手にしたのは事業の中核を担うダイナミックな挑戦と成長の機会だった。
「さまざまな業務に携われて本当に幸せです」と語る中村さんに、地方企業への転職によってもたらされた変化と仕事の手応えについて聞いた。
※本記事の内容は、2025年12月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで38日間
転職前
- 業種
- 大手機械メーカー
- 職種
- 経理
- 業務内容
- メンバーマネジメント、連結決算業務、インボイス対応のプロジェクト推進
転職後
- 業種
- 化学・建材
- 職種
- 経理財務
- 業務内容
- メンバーマネジメント、連結決算業務、財務分析、管理会計、申告資料作成
少数精鋭だからこそ広がった、職務領域とキャリアの可能性。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
四国化成コーポレートサービスの財務部部長代理として経理と財務の両輪を管理し、決算業務から経営戦略に関わる資金調達、若手社員の育成まで幅広い業務を担当しています。
銀行との折衝や資金繰りなど、これまで経験のなかった財務のコア業務にも取り組んでいます。
加えて、グループ全体で推進しているガバナンス強化や、資金効率を最適化するための新しいシステムの導入といった全社的なプロジェクトも推進しています。
同規模の企業と比較しても当社は極めてコンパクトなチームで運営しているため、非常に忙しい毎日を送っていますが、まさに会社の変革期の中核を担うポジションで日々大きな責任とやりがいを感じています。
入社前のご経歴を教えてください。
総合化学メーカーで、製造現場での経理業務をはじめ、「原価の見える化」による赤字事業の再建、海外子会社を含む連結決算やIFRS(国際財務報告基準)への対応など、貴重な経験を積めました。
その後も順調に業務に取り組んでいましたが、義父の介護が必要となったことを受け、妻の実家がある広島県への移住を決意しました。
これを機に、長年在籍していた化学業界を離れて大手機械メーカーへ転職。そこでは約4年間にわたって連結決算や原価計算といった経理業務全般に携わり、子会社へ出向してからは10名以上のチームを率いてインボイス制度や電子帳簿保存法への対応といったプロジェクトを推進しました。
転職のきっかけは?
広島での生活環境が変化したことで、自身の今後のキャリアについて改めて見つめ直すようになったのがきっかけです。
前職におけるキャリアパスへの懸念もありました。当時の私は「グループ全体を見渡せる本社管理部門でマネジメント経験を活かしたい」という希望を持っていましたが、その希望と会社から求められていた役割にギャップを感じていました。
これらのタイミングが重なったことで、自身の専門性を最も活かせる化学メーカーへの転職を決意し、中四国エリアで広く求人を探し始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
まずは、大手の転職サイトへの登録から始めました。そこから複数の転職支援会社と接点を持ち、具体的な求人の紹介を受けながら転職活動を進めていきました。
その過程で、リージョナルキャリア香川のコンサルタントから紹介されたのが四国化成コーポレートサービスの経理財務ポジションです。
まさに私が携わりたいと考えていた業界で、業務内容も希望に合致していたため、すぐに応募しました。
その後は書類提出から最終面接までスムーズに進み、特に大きな問題もなく選考を進めることができたと感じています。
今の会社に決めたポイントは?
最終的な決め手は、三つあります。第一に、面接でこれまでの私の経理経験を高く評価してもらえ、若手メンバーの育成を含めて大きな期待を感じたことです。
また、面接でのやり取りを通じて、社員の誠実な人柄や会社の雰囲気に好感が持てたことも大きかったですね。
第二に、少数精鋭の体制に魅力を感じた点です。面接で会った社員との対話を通じて、縦割り組織ではなく、一人ひとりに大きな裁量が与えられて非常に幅広い経験を積める環境があると直感しました。
実際に入社してから、その直感は間違っていなかったと感じています。
そして第三に、長年にわたって経験を培ってきた化学業界で再び自分の専門性を発揮したいという強い想いがあったことです。これら三つの要素が重なり、入社を決意しました。
仕事も生活も充実。一歩を踏み出したことで得られた、香川での穏やかな暮らし。
転職していかがですか?
入社直後は年明け早々の決算対応や株主総会の準備などで想定以上に忙しく、戸惑いや大変さを感じる日々でした。
しかし、徐々に業務も落ち着いてきた今、改めて振り返ると、そうした怒涛の環境が自分を大きく成長させてくれたと感じています。
会社としても変革期にあるため、日々新しい課題に直面しますが、それを一つひとつ乗り越えていくことに大きなやりがいを感じています。
周囲のサポートもあり、新しい社風にも違和感なく馴染めているので、今後は組織の成長に向けて腰を据えて取り組んでいきたいです。
転職して良かったと思うことは?
想像もしなかったさまざまな業務に携われていることが、非常に大きな充実感につながっています。
これまでまったくの未経験だった財務分野にも携わっていますが、これは業務分掌が明確に分かれている企業であれば、まず経験できなかった領域だと感じています。
経理という専門性を軸としながら財務、さらには経営企画へと職務の幅が大きく広がりました。この少数精鋭の環境だからこそ得られた「キャリアの新たな扉が開いた感覚」は、転職して最も良かったと感じる点です。
困っていることや課題はありますか?
現在、ホールディングス体制における内部統制の強化や、M&Aを通じた海外展開など、次なる成長に向けた挑戦的なプロジェクトが数多く進行しています。
やるべきことが数多くあり、これらの新たな取り組みをスピーディーに推進していくために、ぜひ同じ志をもった方に仲間になってほしいですね。
経理財務部門は少人数で業務を担っているため、新たな取り組みを進める上でリソースが不足し、もどかしさを感じる場面も少なくありません。もう少し人員が増えれば、それぞれが専門性の高い分野にも積極的に挑戦できるようになります。
裏を返せば、これから入社される方にとっては、会社の変革に主体的に関わり、重大な仕組みづくりにゼロからチャレンジできる機会が数多く用意されているということでもあります。
専門性を持った方が加わってくだされば、会社として挑戦できる領域の幅が格段に広がると感じています。
生活面の変化はありましたか?
広島から香川へ移住し、生活環境は大きく変化しました。当初は生活基盤ができるまで単身赴任をしていましたが、すぐに妻も香川に移住し、少しずつ新生活にも順応しています。
香川は街全体がコンパクトにまとまっており、生活に不便を感じることはありません。通勤は徒歩と自転車で20分ほど。満員電車とは無縁の快適な毎日で、家族との時間を持つ余裕も生まれました。
香川の穏やかな生活環境にとても満足しており、仕事と生活のバランスが取りやすくなったと感じています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
私自身、40代半ばでの転職に不安がなかったわけではありません。しかし結果的に、今回の転職を通じてキャリアの可能性を大きく広げることができました。
もし、少しでも転職を考えているのであれば、「まず一歩、踏み出してみること」をお勧めします。
転職サイトに登録してコンサルタントに相談してみる、まずはその一歩でいいのです。その小さな行動が、私のように人生が変わるほどの大きな転機につながるかもしれません。
特に一定のキャリアを積んできた方にとって、地方の成長企業には都心の大手企業では得られない裁量と挑戦の機会が眠っている可能性があります。
40代でも決して遅くありません。年齢を理由に挑戦を諦めることなく、新たなキャリアを切り拓いてください。