転職成功者インタビュー

一般財団法人 阪大微生物病研究会
佐藤真一さん(仮名・製造技術) 32歳

家族との時間を大切にしながら医薬品製造の最前線へ。香川で見つけた挑戦の舞台。

大阪の製薬会社で治験薬の製造職としてキャリアを築いてきた佐藤さん。がんや難病治療薬の製造という社会貢献性の高い仕事にやりがいを感じつつも、コロナ禍をきっかけに「家族との時間をもっと大切にしたい」という想いが強まっていったという。

転職を決意した佐藤さんは、配偶者の地元である香川県で医薬品製造の経験を活かせる職場を探し、新たな道を模索。現在は香川の阪大微生物病研究会で将来医薬品となる可能性がある治験薬製造のプロセス開発やその設備構築に携わっている。

家族との時間も大切にできる充実した生活を送っている佐藤さんから、Iターン転職体験談や香川での新たな挑戦について伺った。

※本記事の内容は、2025年7月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで95日間

転職前

業種
製薬
職種
研究開発
業務内容
核酸医薬品候補のGMP治験薬の製造

転職後

業種
ワクチン開発製造
職種
製造技術
業務内容
治験薬を製造するためのプロセス開発やその設備の構築

コロナ禍をきっかけに、家族との時間が最も大切だと気づいた。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

一般財団法人阪大微生物病研究会の技術研究部門である「技術研究センター 製造技術研究室」に所属しています。

この部署のミッションは、安全で信頼される品質のワクチンを開発・製品化し、世の中に届けることです。その中で、私は治験薬を製造するためのプロセス開発やその設備構築を担当しています。

具体的には、主に経済産業省が進める「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」の一環として、新しい治験薬製造設備の構築プロジェクトに携わっています。

このプロジェクトでは、治験薬の製造や、その初期生産をするための機械やシステムの選定から導入までを担当し、社内外の多くの関係者と連携しながら仕事を進めています。

また、製造技術面で私が特に注力しているのは新しいモダリティワクチンの技術開発です。その中の一つであるRNAワクチンは新しい技術が必要で、これまでにない挑戦が求められるため、トライ&エラーを繰り返しながら製造工程の効率化を図り、品質の安定化に取り組んでいます。

この仕事を通じて、新しい医療の可能性を切り拓く一翼を担っていると感じています。

入社前のご経歴を教えてください。

前職では、大阪にある核酸医薬品の受託製造会社に約6年間勤務し、核酸医薬品の製造技術を深めてきました。

核酸医薬品はがんや神経系の難病治療薬として期待される分野で、私はその製造工程の中でも特に化学合成や精製プロセスを担当していました。

転職のきっかけは?

Iターン転職を決めた一番の理由は「家族との時間を大切にしたい」という想いです。

妻の里帰り出産とコロナ禍が重なり、子どもの成長を近くで見守れない日々が続きました。そして育児や今後のことを考えると、妻の出身である香川で暮らす方が良いということも感じていました。

一方、仕事は責任ある立場を任されていたので、辞めることに葛藤もありました。それでも、「家族と一緒に暮らしたい」という気持ちに迷いはなかったので、香川での転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

当初は、複数の転職支援会社に登録をしていました。そのひとつがリージョナルキャリア香川でした。

地元の医薬品関連企業に強い繋がりを持っている点や、親身になって相談に乗ってくれたことが印象的で、「この転職支援会社になら安心して任せられる」と感じました。

担当コンサルタントとの面談で自分の希望やキャリアについて見つめ直すことができ、目指すべき方向性が明確になりました。

また、香川県での転職活動は初めての経験だったため、地元企業の情報に強いということが何より参考になりました。

今の会社に決めたポイントは?

理由は大きく三つあります。一つ目は、これまでの経験を活かせる医薬品関連の仕事であったこと。二つ目は、勤務地が妻の実家から近いこと。そして三つ目は、面接時に職員と直に接して感じた職場の雰囲気がとても良かったことです。

特に実際の選考では、終始和やかな雰囲気の中で話すことができ、私の医薬品製造の経験をどのように活かせるのか、入社後は何を新たに学ぶ必要があるのか、などを率直に話してくれました。

良い面も、課題面も知ることができ、その上で「ここで新しい挑戦をしたい」と強く感じました。

人々の健康を支えるワクチン製造に、使命感と充実感を得られる日々。

転職していかがですか?

新しい環境で多くの学びや挑戦があり、充実感があります。特にRNAワクチンの技術開発は未経験だったので、初めは専門知識を覚えるのが大変でしたが、同僚や上司からのアドバイスに支えられ、徐々に知識やスキルを深められました。

仕事に対しても、これまで以上にやりがいを感じています。当社が製造したワクチンは市場に出回り、多くの人に使用されます。そのため、一つひとつの工程に対する責任が重く、製造技術の正確さや品質の信頼性を常に意識しなければなりません。

仕事内容はハードな面もありますが、そうしなければいけない仕事であり、万が一製造したワクチンによって健康被害が生じてしまえば、会社の存続も危ぶまれます。責任の大きさも日々の仕事の意欲になっています。

転職して良かったと思うことは?

さまざまな感染症から身を守るワクチン製造に携わっていることに誇りを持って働けています。

例えば、インフルエンザワクチンや小児ワクチンなど、私たちが製造するものは人々の健康を支えることに直結しているため、必然的に使命感を持つようになりました。

また、家族との時間が増えたことは、何より嬉しいことです。以前は離れて暮らしていたので、日々の成長を間近で感じられませんでした。でも今は、違います。毎日を家族と一緒に過ごせて、思い切り働けています。

困っていることや課題はありますか?

新しい取り組みを進めていくうえでは、複数部門で意見を出し合いながら、互いのすべての意見を尊重しつつ、一つの結論を導き出さなければなりません。その過程にはどうしても時間を要します。

打ち合わせや資料作成などの机上の業務と実験や製造を行う実務を、いかにして効率的に進めて行くべきか模索しているところです。

また、RNAワクチン開発はトライ&エラーの繰り返しです。実験を行い、その結果を分析し、どのように改善していくのか、突き詰めて考え続けなければなりません。

実際、上手くいかないことが続くと気分的にも落ち込みます。しかし、そのような時こそ、自分が成長するチャンスだと捉え、学会への参加や文献など、さまざまな外部情報を収集し、予見性を高めながら取り組んでいます。

また、上司や同僚と意見交換をすることで解決策が見つかることもあります。「自分一人では解決できなかったことも、チームの力で乗り越えられる」それを、身をもって実感しています。

生活面での変化はありましたか?

家族との時間が増え、自然豊かな環境での子育てが実現しました。週末には子どもと公園に出かけたり、地域のイベントに参加したり、地元ならではの豊かな生活を送っています。

香川県の穏やかな環境の中で家族と過ごす時間が、自分にとっての大きなモチベーションになっていますね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

スキルアップ、ジョブチェンジ、家族との時間など、人によって転職に求めることは異なります。ですから、転職活動を始める際は闇雲に仕事を探すのではなく、まずは自分が何を一番大切にしたいのか、優先順位を整理することから始めると良いでしょう。

また、UターンやIターンなど、地方での転職を考えている場合は、地域に特化した転職支援会社のサポートは心強いと思います。

企業との関係の深さを感じましたし、独自の企業情報だけでなく、実際に入社した人たちの活躍の様子など、より良い選択に役立ちます。一人で悩まずに、焦らずじっくりと、自分に合った答えを見つけてください。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
四ノ宮 こころ

大阪でやりがいのある仕事に携わりながらも、家族との時間を大切にしたいという想いをきっかけに、配偶者の地元である香川県へIターン転職を決意された佐藤さん。

「香川県でやりたい仕事ができる」と、阪大微生物病研究会の選考に向けて入念な準備を重ねていた時の緊張感や内定が出た際の安堵感は今でも鮮明に覚えています。

念願の企業への入社から3年が経ち、今ではワクチン製造の最前線で「新しい医療の可能性を切り拓く仕事」に関わられている様子から、仕事への充実感や使命感、そして“誇り”が伝わってきました。

「仕事のモチベーションは家族そろっての幸せな日々にある」と伺え、転職に関われたことを大変嬉しく思います。

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