株式会社総合開発
大橋慎さん(仮名・総務) 44歳
人事のプロとして培った経験を活かし、香川で異業界の人事総務にチャレンジ。
大阪の食品メーカーで人事・採用業務に携わり、新卒・中途採用実務の経験を積んできた大橋さん。人材育成や制度運用も手がけ、採用のプロとしてのキャリアを築いていた。
そんな大橋さんが転職を決意したのは44歳の時。「家族の近くへ戻る」と「自身の経験を新たな環境で活かしたい」という想いが重なり、香川へのUターン転職を考え始めた。
都市部と地方では採用市場も異なり、これまでの経験が通用するのかという不安もあったが、地元企業の採用活動の一助になれるチャンスだと前向きに捉え、転職を決意。現在は株式会社総合開発で総務課の一員として、採用業務をはじめとする総務人事の仕事に従事している。
そんな大橋さんに転職の経緯や異業界での新たな挑戦について伺った。
※本記事の内容は、2025年4月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで57日間
転職前
- 業種
- 食品メーカー
- 職種
- 人事労務
- 業務内容
- 人事業務全般(採用/新卒・中途、研修企画・運営、人事制度運用、労務等)
転職後
- 業種
- 土木
- 職種
- 総務人事
- 業務内容
- 人事業務全般(採用/新卒・中途、労務)、総務業務
十年後の会社の未来をつくる、人事の仕事にやりがいを感じて。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
株式会社総合開発の総務部総務課で、課長補佐を務めています。総務課の仕事は幅広く、新卒・中途採用から給与計算、社会保険の手続きといった労務管理、さらには社内イベントの企画・運営まで、多岐にわたる業務を担当しています。
これまでの経験を活かして業務に取り組んでいますが、各企業の業務内容や特有の風土・文化を理解して進める必要があるため、日々新たな学びの連続です。
全社員がスムーズに業務を進められるよう、また、新入社員に「この会社を選んでよかった」と思ってもらえるよう、会社全体の運営管理や働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後、アミューズメント施設を運営する会社に新卒で入社しました。入社後は接客や店長業務に従事しましたが、当時大卒一期生だったということもあり、新卒採用のサポートも任されていました。
その後、本社勤務に異動して本格的に人事業務を担当したのですが、人事の仕事に面白みを感じていたため、会社の方針で再び店舗配属になった際に「人事としてのキャリアを積みたい」という想いから転職を決意しました。
転職先の食品メーカーでは、新卒・中途・アルバイトの採用活動や社内研修の企画・運営、人事制度の運用など、人事労務全般を担当していました。
かれこれ約10年もの間、人事の仕事に携わっていますが、原体験としては1社目での経験が大きかったです。
採用活動で関わった学生が実際に入社して現場で活躍しているのを見ると嬉しいですし、もしかしたら20年後には会社の重要なポジションを担っている可能性もあるわけです。「一つの出逢いで、一人の人生や会社の未来に大きく影響を与える」という人事の仕事に大きなやりがいを感じています。
転職のきっかけは?
実家は香川ですが、大阪での生活の方が長くなり、仕事も充実していたので地元に戻ることは一切考えていませんでした。しかし、親と電話をしていた時、初めて「こっちに戻ってきてくれたら嬉しい」と、ぽつりとこぼしたのです。
今まで、親がそのようなことを言うのを聞いたことがなかったので、正直驚きました。その時はピンとこなかったのですが、落ち着いて考えると、「戻るなら今しかないのかもしれない」と思うようになりました。
大阪での生活も気に入っていたので迷いもありましたが、「親も高齢でいつまで元気でいられるかわからないので、安心させたい」という想いで地元に戻ることを決意しました。
とはいえ、香川を離れて何十年も経つので、知り合いも仕事のツテもありません。当時の会社や人事の仕事に面白さも感じていたので、「もしこの経験を活かせる仕事が香川にあるなら帰ろう」という気持ちで転職活動を始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初は大手の転職支援会社にいくつか登録して転職活動を始めました。しかし、紹介される企業の情報が少なく、なかなか思うように進みません。香川は大阪のように多くの企業があるわけではないので、「本当に自分に合う会社があるのだろうか?」という不安も感じていました。
そんな時、香川に特化した転職支援会社がないか調べたところリージョナルキャリア香川の存在を知り、同社が主催するオンラインセミナーに参加。香川の転職市場を詳しく知ることができ、その後の面談で私の経歴や希望に合いそうな求人を紹介してもらいました。
リージョナルキャリア香川のコンサルタントは、企業文化や会社のビジョン、どんな人材を求めているかといった詳細な情報を持っているのが印象的でした。やり取りを通じて、「どんな会社が自分に合っているか」イメージが具体的になっていきました。
今の会社に決めたポイントは?
総合開発を選んだ決め手は、面接での印象の良さです。社長や現場社員と直接話し、会社のビジョンを詳しく聞けました。
「この会社をもっと良くしていきたい」という経営陣の熱意が伝わってきて、「ここなら自分の経験を活かしながら、新しいことにも挑戦できる」と感じたのです。
会議室に掲げられている会社の理念や行動規範の説明もしてくれたのですが、当初から私が感じている「五年後、十年後の会社の未来をつくる」という人事の仕事の面白さと根本的に通じていて、共感したことも大きかったですね。
会社の成長のために、採用活動の改善や企業イメージの向上に取り組む日々。
転職していかがですか?
転職してまず感じたのは、会社の風通しの良さと業務改善に積極的な風土です。社長が積極的にメッセージを発信していることもあって、社員の意見を尊重する文化があり、提案が通りやすいと感じています。
一例をあげると、入社してすぐ作業服の統一化がありました。これは若手社員のアイデアが採用されたものです。
以前は部署ごとに作業服が異なり、一体感が生まれにくかったのですが、デザインを統一することで社内の結束力を高めて企業イメージの向上にもつながるという考えから、社内全体で導入を決めました。
このように現場のアイデアがすぐ形になり、会社の変化につながることは非常に嬉しいですね。
私はまだ入社して日が浅く、会社の全体像を理解している段階ではありますが、今後総務人事として「もっと働きやすい環境をつくりたい」というモチベーションで仕事に取り組んでいます。
転職して良かったと思うことは?
仕事面では、先ほどもお話ししたように風通しの良い風土です。総合開発にはUターンで入社した方が多いことも、安心材料になりました。「移住者は孤独なのでは」という不安を感じていたのですが、移住という大きな決断をした仲間として一層打ち解けやすかったように思います。
生活面では、やはり親の近くで暮らせていることです。数十年ぶりの同居なので最初はどうなることかと思いましたが、意外と喧嘩もせず上手くやっています(笑)。
困っていることや課題はありますか?
転職後にまず感じたのは、採用活動の難しさの違いですね。大阪では、ある程度の応募者が集まる前提で「どのように関係性を作り、自社を選んでもらえるか」という難しさでしたが、香川ではそもそも求職者の数が少なく、応募者を集めること自体が難しいという現実に直面しました。
会社が想定するポジションに合うかどうかではなく、求職者一人ひとりの経験やスキルに応じて、任せる仕事を柔軟に検討するスタンスも重要だと感じています。
現在は、地域の他企業や転職支援会社とも情報交換をしながら、効果的な採用手法を模索しているところです。
生活面の変化はありましたか?
一番大きいのは家族との時間が増えたことです。何十年も離れて暮らしていたので、親の暮らしの様子を近くで見て、何気ない会話を楽しんだり、一緒に実家の手入れをしたりしています。今更ながら「親孝行ってこれか」という感覚です(笑)。
また、生活のペースが変わり、新しい趣味に挑戦するなど、自然豊かな地元の暮らしを満喫しています。最近のお気に入りはスーパー銭湯巡りですね、高松市内だけでも意外とたくさんあるんですよ。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
まずはその道のプロに頼るということです。私は地元を離れて長かったというのもありますが、香川にどんな会社や仕事があるかほぼ知らない状態で転職活動を始めました。
特にU・Iターン転職の場合は、都市部と地方で転職市場そのものが異なります。その地域で転職するにあたって求人の選択肢や条件面など、何をどこまで想定しておけば良いのか、そうした相場観を得ておくことも重要です。
そのため、地域の転職市場に詳しい転職支援会社にいろいろと聞いて情報収集することをおすすめします。
また、転職活動を進める中で、「何を優先するか」を明確にすることも重要です。
私は「家族の近くで暮らすこと」と「人事としての仕事のやりがい」を重視しましたが、人によって優先するものは異なります。転職を成功させるには、自分の価値観を整理し、それに合った企業を選ぶことが何より大切です。
地方での転職に不安を感じることもあるかもしれませんが、まずは一歩踏み出して自分に合った働き方やライフスタイルを見つけてほしいと思います。総合開発でも積極的に採用を行っていますので、関心のある方はぜひお問い合わせください。