株式会社フジコー
古賀史典さん(仮名・営業) 34歳
お客さまの要望に応える営業力を身に付けたい。地元香川への転職で得られた成長実感。
前職では食品包装資材を扱う卸売会社で営業を担当していた古賀さん。長年、顧客対応を中心とした業務に携わってきたが、営業として専門性をさらに高めていきたいと考えるようになっていた。
そんな折、両親の体調不良を機に地元に戻ることを決意。Uターン転職を検討する中で、株式会社フジコーと出会う。前職での営業経験を活かしながらも、新たに製造業の知識を学べる環境に魅力を感じ、転職を決断した。
現在はグラビア印刷の営業担当として、社内の技術部門と連携しながら業務を進める日々。新たなスキルを身に付けながら成長を実感する古賀さんに、転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2025年4月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで55日間
転職前
- 業種
- 日用品・消費財商社
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 包装資材の卸売業者へ訪問、商品の紹介、提案
転職後
- 業種
- 印刷・包装材メーカー
- 職種
- パッケージの企画提案営業
- 業務内容
- 衛生用品を中心としたパッケージおよび機能性の提案営業
時代の流れに伴い、顧客の購買スタイルが激変。営業としての新たなキャリアを模索。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
営業部門でグラビア技術を用いた印刷サービスの企画提案営業に従事しています。弊社では、大きく分けて二つの製品を扱っておい、一つはトイレットペーパーやオムツ、キッチンペーパーなどの外装フィルムのパッケージ、もう一つは粘着面を保護するための剥離フィルムです。
私は前者を担当しており、主に量販店など既存のお客さまを中心に提案や納品、アフターフォローを行っています。具体的には、お客さまの要望をもとにフィルムのデザインや印刷の仕様を調整し、社内の製造部門と連携して納品までを管理します。
お客さまが求めるデザインの精度や色合いの再現性は非常に重要で、特にオムツのパッケージなどは赤ちゃんの顔が印刷されるため、高い品質管理が求められます。
また、近年ではティッシュペーパーの包装が箱型からフィルムタイプへ移行する動きがあり、こうした新たなニーズへの対応も求められています。
そうした中、弊社は印刷だけでなく、袋状の加工など製品の完成形までを一貫して提供できることが特徴です。そのため、営業は単に受注するだけでなく、社内の生産スケジュールを調整しながら、最適な形でお客さまに商品を届けることが求められます。
入社前のご経歴を教えてください。
前職は岐阜県の食品包装資材を扱う卸売会社に勤務していました。最初の7年間は営業事務として、受発注の管理やメーカーとの調整業務を担当。その後の5年間は営業職に転換し、地場の飲食店や食品工場に提案営業を行っていました。
おしぼりや食品トレーなど、多岐にわたる商品を取り扱っていたこともあり、顧客のニーズに応じた最適な提案が求められる環境でした。例えば、「この商品ならこのメーカーの方が、コストメリットがあります」といったアドバイスをしながら信頼関係を築いていましたね。
転職のきっかけは?
一番の理由は、両親の体調を考え、近くにいてあげたいと考えたことです。特にコロナ禍は自由に帰省できない状況が続き、「何かあった時、すぐに駆けつけられる環境を作りたい」と考えるようになりました。
また、業界の変化も一因でした。食品包装資材メーカーではネット販売を強化する動きがあり、従来の卸売業の役割が徐々に縮小しているのを肌で感じていました。
加えて、コロナ禍の影響もあり、顧客の購買スタイルが急速に変化。その結果、従来の営業方法が通用しにくくなっていたのです。
商社や営業の在り方が変わる中、あらためて今後のキャリアを考えた時に、「営業として成長できる環境で、新たな挑戦をしたい」という気持ちが強まっていきました。
転職活動はどのように進めましたか?
まず大手転職サイトに登録し、求人の情報収集から始めました。そこからいくつかの企業に応募して面接も受けてみたものの、「ここだ!」と確信を持てる企業には出会えませんでした。
そんな中、知人の紹介で知ったリージョナルキャリア香川に相談することにしました。担当コンサルタントは、単に求人を紹介するだけではなく、「本当に行きたいと思える企業に絞りながら考えていきましょう」と言ってくださったことが印象に残っています。
また、職務経歴書の添削や面接対策などのサポートを受けながら、自分の強みを整理することができました。
それから、コンサルタントを通じて地元企業の詳細な情報を得られたのも大きかったです。自分一人では調べきれない社風や働き方について知ることができ、安心して選考に進めました。
今の会社に決めたポイントは?
「地元に戻ってのんびり働きたい」という気持ちよりは、「前職で培った営業経験を活かして挑戦できる会社で働きたい」と考えていました。
その中で、フジコーは扱う製品に前職の製品と関連性があり、これまでのスキルを応用しつつ、さらに成長できると感じました。メーカー直販の形態で、よりダイレクトに製造現場と関われる点も魅力でした。
また、会社の成長性や新技術の導入体制にも共感しました。最新の印刷技術や環境配慮型の製造プロセスを積極的に取り入れているため、営業として単なる受注活動だけでなく、新規事業の立ち上げや製品開発にも関われると思ったのです。
その他にも、評価制度がしっかりしていることから、自分の頑張りが正当に評価される環境に身を置くことで、新しいことにチャレンジしながら営業としてさらに成長できるのではないかと考え、入社の決断に至りました。
他業務との連携や新たな知識を吸収することで、営業としての成長を実感。
転職していかがですか?
フジコーでの業務は新しいことの連続で、学ぶことばかりです。特に、生産管理や工程調整など、顧客対応以外の業務に携わる機会があるのは新鮮でしたね。
その中で、社内コミュニケーションの重要性を学びました。前職では営業個人で完結する業務が中心でしたが、今の会社では製造部門や品質管理チームと密に連携しながら業務を進める必要があります。
最初は戸惑いましたが、職場の雰囲気は良く、教育体制も整っているので、徐々に社内の流れを理解して柔軟に対応できるようになってきました。
フジコーは技術力を強みとしているので、営業の役割としてお客さまに対して独自の技術や品質の高さを正しく伝え、理解してもらうことが求められます。そのためにも常に情報収集が求められますが、私としては新しい知識を得ながら成長できていることにやりがいを感じています。
転職して良かったと思うことは?
転職して最も良かったのは、仕事の幅が広がったことです。前職では営業活動が中心でしたが、フジコーでは製造や技術面の知識も必要とされるため、スキルの習得機会が増えました。特に、フィルム印刷の工程や製造プロセスを理解することで、お客さまへの提案の幅が広がっています。
また、前職よりも顧客企業の規模や、1件あたりの取引額の規模も大きくなったので、責任も大きく、やりがいを感じています。
それから、ワークライフバランスの向上も大きなメリットです。以前は業務量が多く、残業や出張も頻繁でしたが、現在はスケジュールを調整しやすくなり、仕事とプライベートの両立がしやすくなりました。
さらに、職場環境も良好で、社員同士のコミュニケーションが活発です。周囲のサポートが充実しており、新しい環境でも安心して業務に取り組めています。
困っていることや課題はありますか?
前職の営業経験は活かせている反面、製造業ならではの専門知識の習得に苦戦しています。特に、製品の印刷工程や加工技術の理解はまだまだ不足しており、提案の際に技術的な要望を正確に伝えるのが難しい場面もあるため、より深く学ぶ必要があると感じています。
また、社内の調整業務の多さにも驚きました。前職では営業が納期調整に関与することは少なかったのですが、現在は製造部門や品質管理部門と連携し、限られた生産ラインの中でスケジュールを調整する必要があります。
製造工程の状況を把握しつつ、無理なく納品を進めるスキルを身に付けることが課題の一つです。
さらに、市場の変化に対応するためには、業界の最新動向を把握し、より具体的な提案ができる営業力を磨き続けなければなりません。
新規のお客さまに対しては製品の特長を分かりやすく伝え、ニーズに応じた提案が求められるため、技術知識と営業スキルそれぞれの向上が求められます。
これらの課題を克服し、より成長するために、社内の技術研修を積極的に活用し、日々知識を深めながら取り組んでいる最中です。
生活面の変化はありましたか?
地元に戻って、大きく変化したのは家族との時間が増えたことですね。転職以前は年に数回しか会えませんでしたが、今では仕事終わりに実家に立ち寄って、一緒に食事できるようになりました。
また、地元の友人との交流が復活したのも大きな変化です。以前はLINEなどで連絡を取り合うことはあっても、実際に会う機会はほとんどありませんでしたが、今では休みの日に飲みに行くこともできます。
人間関係でいうと、社内や取引先で地元が一緒だったり、共通の知り合いがいたりすることも珍しくありません。初対面でも話が弾みやすく、スムーズに馴染むことができました。
趣味の面では、転職を機にマラソンを始めて大会にも出場するようになりました。社内にも趣味でマラソンをしている人が多く、共通の話題が増えたのも嬉しいですね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職活動では、転職支援会社のコンサルタントに相談することは、一つの方法として有効だと感じています。私自身、最初は転職への漠然とした不安がありました。
それでも、リージョナルキャリア香川のコンサルタントと相談しているうちに、次第に心配事がなくなっていきました。フジコーを受ける時は、覚悟が決まっていましたし、面接を受けていくなかで「絶対ここで働きたい」と考えるようになりました。
「本当にやりたいことは何か?」「転職先に求める条件は何か?」を明確にすることや、自分の強みを再認識しながら、転職活動を進められたことが大きかったと思います。最初は不安を感じるかもしれませんが、焦らず、じっくりと準備を進めることをおすすめします。