転職成功者インタビュー

F.B Bison株式会社(旧社名:株式会社福本ボデー)
中村龍之介さん(仮名・開発設計) 30歳

今は大好きなモノ作りに全力投球!休日は瀬戸内海で釣りざんまい。

香川県の大学・大学院で学んだ後、滋賀に工場を持つ大手メーカーに就職した中村さんは、オフィス用チェアの開発に携わっていた。ユニットの担当者を任されるようになるなど、仕事は順調。自分も不満はなかった。

だが、気がかりなことが1つ。奥さんが「香川に帰りたい」とこぼすようになったのだ。その後、会社の方針転換による転勤の増加もあり、香川へのUターンを決意。大手から中小企業に転職した。

そこは、全国でも珍しい特殊車両の専門メーカー。オーダーメイドのモノ作りは楽しく、休日は大好きな釣りも再開。年収もむしろ前より少し上がったという。「地方への転職は、やりがいも年収も下がるのが当たり前」というイメージをくつがえすような、中村さんの転職活動を聞いてみた。

※本記事の内容は、2016年2月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで46日間

転職前

業種
オフィス家具の製造・販売
職種
開発設計
業務内容
新製品の開発設計・既存製品の品質改善

転職後

業種
特殊車両の製造
職種
開発設計
業務内容
各種車両の開発設計

情報はたくさんあるけれど、どうしていいかわからなかった最初の2ヵ月。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

特殊車両の設計をしています。特殊車両というのは、例えば、工場の中で重量物を載せて走る搬送車や、肥料散布のための農業用車両などのこと。小さいものは1人乗りの小さな台車から、大きいものになると30トンの重機を運べる搬送車まで作っています。

基本の形はありますが、ほとんどがオーダーメイド。お客さまの要望をもとに設計し、部品を発注して、自社の工場で組み立てています。

基本的には1人で1台の工程をすべて任されており、設計から部品の発注、お客さま立ち会いのもと確認、そして修正、出荷前の検査まで、全工程に携わっています。

着手し始めてから出荷までは、約4か月。完成した特殊車両は全国で活躍しています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学院修了後、オフィス家具メーカーに就職。滋賀にある工場でオフィス用チェアの設計をしていました。1つの製品を5~6人で約1年かけて開発していました。

具体的には、背もたれ、肘置き、脚といったユニットごとに分かれて、企画、試作品の設計、社内レビュー、部品の設計、注文、完成品の試験などに取り組んでいました。退職する前には、1つのユニットの担当を任されていました。

転職のきっかけは?

仕事に不満はありませんでしたが、妻が「香川に帰りたい」と口にするようになりました。生まれも育ちも香川の妻は、滋賀には友人も少なく、今後もし子どもが生まれても、知らない土地での子育ては厳しいのでは、と二人で真剣に話し合うようになりました。

また、私が29歳になった頃、会社の方針に変更がありました。社内での転勤が増え、いつ自分も転勤になるか分からない不安な状態でした。

学生時代を過ごした香川は、私も大好きでしたので、「じゃあもう香川に腰をすえよう!」とUターンすることに決めました。

転職活動はどのように進めましたか?

大手の転職サイトと、香川の地元企業ばかりを取り扱っている転職サイトにエントリーしました。しかしスカウトメールは届くものの、希望とは違う業種だったり、全国転勤がある会社だったりと、最初の2ヵ月間は動くことができずにいました。

そんなとき、リージョナルキャリア香川からメールが届き、現在の会社の求人情報を知りました。

大学院時代は自動車の安全技術を研究していたこともあり、特殊車両というものにとても興味を持ちました。すぐに面接の段取りをつけてもらい、その後はトントン拍子に進んでいきました。

今の会社に決めたポイントは?

面接時に工場を見せてもらったのですが、実際に作っているものを見て、単純に「おもしろそう!」「作ってみたい!」と思ったことが決め手でした。もともと工学部の人間で、メカには興味がありましたから。

ただ最初は、前職が大手だったので、「中小企業は大丈夫なのか?」という不安はありました。しかし、その不安も工場を見て払拭されました。大きい会社の方がやりがいも大きいと思っていましたが、規模は関係ないのかなと。

現在の会社の社員数は65名ほど。規模は小さいけれど、きちんと独立し、自分自身でモノ作りを最後まで行っている姿勢に感銘を受けました。

会社は求人票の数字だけじゃわからない。自分の目と第三者の目が大事。

転職していかがですか?

思っていた通りの会社でした。しっかりとした技術者がいて、目標に向かってそれぞれしっかりモノ作りをしている。とてもいい雰囲気です。開発部は私を入れて6人。同年代が3人いて、3人とも中途入社の先輩なので、心強かったですね。

仕事は毎日忙しく、途切れることなくオーダーが来ています。自分が設計した製品が、その数ヵ月後にはカタチになって出てくる、そのスピード感も楽しいです。

モノ作りに全力投球できるようになりましたね。社長と専務の判断のもとで全員が動く、というシンプルな形で、ストレスを感じることなく仕事に打ち込めています。

困っていることや課題はありますか?

今は特にありません。設計で使うCADのソフトは、初めて扱うものだったので最初は戸惑いましたが、すぐに慣れました。

通勤時間は車で1時間。こちらも慣れるまでは大変でしたが、今では好きな音楽を聴きながらドライブ気分で通勤しています。

1年目の年収は、転職前より少し多いくらいでした。家賃も香川の方が安いうえに、実家から野菜などをもらうことも多いため、収入に関しても何も問題はありませんでした。

生活面の変化はありましたか?

いちばん変わったのは、休日の過ごし方です。以前は休日もあまり外出しませんでしたが、香川に帰ってきてからはよく出かけるようになりました。昔から釣りが大好きだったので、もう一度道具を買い揃え、ほぼ毎週、釣りに行っています。

妻も昔からの友達と出かけたり、実家の家族と食事をしたりして休日を過ごすようになり、香川に帰ってきたことを喜んでいます。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職先を探す際は、会社の規模に目が行きがちだと思います。しかし、求人票に書かれている数字だけではわからないことも多いので、実際に「自分の目で見る」ということを大事にしてほしいと思います。

また、私はリージョナルキャリア香川に本当に助けてもらいました。ネットで探していただけのときは、自分の希望にあった求人を見つけらずにいました。ところが、コンサルタントを介してみると、すぐに今の会社と出会えました。

仕事の中身や社長の人柄、第三者目線の会社情報まで、持っている情報量が違います。もしあのまま1人で転職活動を続けていたら、今頃自分はどうなっていただろう?と思うほど、感謝しています。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
加地 盛泰

中村さんと初めてお話をしたのは、まだ県外にお住まいで、とてもお忙しくされている時期でした。すでに他の紹介会社も利用されていましたが、香川県に希望するような企業があるのかと不安をお持ちでした。また、単に転居を伴わない暮らしを求めるというより、「技術者として今は管理的業務よりも、スペシャリストでありたい」など長期的なキャリアについても熟考されていました。

転職を通じて解決したいこと、叶えたいことも明確にお持ちで、お話の中で多用されたキーワードからF.B Bison社との強いご縁を感じ、ご紹介させていただいたことを覚えています。

中村さんはどんな人と働くのかを重視されており、二度の会社訪問はいずれもご一緒しましたが、緊張気味だった中村さんがすぐに先方と意気投合され、目をキラキラさせる姿が印象的でした。また、できる限り不安材料をなくしていただくため、工場見学や設計資料の開示なども経て、納得の入社となりました。

中村さんが大切にされてきたスタンスと、F.B Bison社が大切に考えられている点が合致しており、私自身も内心とても嬉しく興奮気味なご縁となりました。現在のご活躍を伝え聞き、とても嬉しく感じています。

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