転職成功者インタビュー

株式会社コヤマ・システム
木村豊さん(仮名・機械設計) 39歳

この豊かな生活は、じっくり待ってでも実現する価値がある。

「帰らないほうがいいですよ」。ケータイやゲーム機本体の設計に携わっていた木村豊さん(仮名)は、東京のあるキャリアコンサルタントからそう言われたとのこと。その理由は、「木村さんのキャリアは、東京なら引く手あまた。子どもの勉強のためにも、東京に残ったほうが良いのでは?」というものだった。

しかし、木村さんの思いは揺がなかった。「自分の子どもを、豊かな自然や、おじいちゃん、おばあちゃんに囲まれた環境で育てたい」と思っていたからです。逆に、自分のやりたい仕事は諦めていた。

しかし、香川の地場企業に精通したリージョナルキャリア香川との出会いで、希望通りの仕事に就くことができました。「転職活動をじっくり続けていて良かった」と振り返る木村さんにお話をうかがった。

(※本記事の内容は、2014年9月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
ソフトウェア・ハードウェア
職種
設計、プロダクトデザイン、インタラクションデザイン
業務内容
携帯電話の設計、プロダクト製品のデザイン提案、ゲーム機本他のインターフェースのプロトタイプ作成

転職後

業種
ソフトウェア・ハードウェア
職種
設計職
業務内容
試験機の設計、展示会出展用の配布物、ビデオ作成

「やりたい仕事を諦めていいのですか?」と言われて。

現在のお仕事はどんな内容ですか。

香川にあるソフトウェア会社で、機械設計をしています。もともとは液晶の検査機の組み込みソフトが得意な会社でしたが、「いつまでも依存していてはだめだ」ということで、自社製品の開発に取り組んでいます。

私の仕事はその設計です。リサイクル処理された家電のチップから、銅などの有価物を選別する機械を開発しています。

入社前のご経歴を教えてください。

ハード・ソフトウェアの設計をメーカーから受託する会社で働いていました。大手電機メーカーに派遣されて、ケータイ本体の設計やゲーム機本体のインターフェイスのプロトタイプなどを作成していました。その前は、ソフトウェア会社でSEをしていました。勤務地はどちらも東京です。

転職のきっかけは?

大学院で勉強をしていた頃から、プロダクト(製品)デザインの仕事をしたいと思っていました。SEとして就職したものの、夢を諦められず、入社2年目からプロダクトデザインの学校に通いました。

その後、転職先を探しましたが、未経験者の転職活動は厳しかったです。全部で30社程度受けました。30代になってやっと出会えたのが、前職でした。

それでも、再び転職を考えるようになった理由は?

結婚して、子どもが生まれたことが大きなきっかけでした。妻と将来の話をする中で「子どもを沢山の自然に囲まれた環境や、おじいちゃん、おばあちゃんに近い環境で育てたい」いう話になりました。

妻は埼玉出身ですが、私と同じ考えで、むしろ積極的に「香川に行きたい!」と言ってくれました。ただ、香川で同じ仕事に就くのは難しいだろうとは思っていました。

転職活動はどのように進めましたか?

9社の転職サイトに登録しましたが、なかなか希望通りの仕事はありませんでした。東京のキャリアコンサルタントからは「帰らない方がいいですよ」とも言われました。私のキャリアであれば、東京なら引く手あまたな上に、子どもの勉強のためにも東京にいたほうがいいと。

しかし、迷いはありませんでした。そのコンサルタントの方と私は価値観が違う、と思いました。私は、子どもに香川でのびのび育ってほしいと思っていましたから。それで、「やっぱり香川に詳しい人に聞かなきゃだめだな」と思い、リージョナルキャリア香川を見つけて、エントリーしました。

リージョナルキャリア香川の担当コンサルタントは、わたしの希望を聞き入れてくれた上で、さまざまな提案をしてくれました。「紹介会社によって、こんなにも対応が違うものなのか」と思いました。

その後、2~3社の企業を紹介してもらいましたが、最初は条件が合うものがありませんでした。そのため、「違う職種でも良いかな」と思いかけていた時に、担当コンサルタントから「簡単に諦めていいのですか?本当にやりたいのは、プロダクトデザインですよね?」と言われました。

そして、紹介してもらったのが今の会社でした。コンサルタントの方が現職の社長と話しているときにこの職種が欲しいという話を聞いたそうで、すぐに面接を受けました。

今の会社に決めたポイントは?

自社製品に力を入れ始めたところで、ハード・ソフトウェアを含めた製品づくりにゼロから携われそうだと感じたのがポイントです。会社の場所は、僕の地元からは少し離れていました。でも、「香川で自分のやりたい仕事ができるなら」と考えました。

企業規模は前職よりも小さくなりますが、まったく気になりませんでした。逆にさまざまなことに関わることができるので、面白そうだなと思いました。

週末は、旅行気分でドライブ。食卓にはいつも、採りたての野菜。

転職していかがでしたか?

久しぶりにハードウェアに触れる仕事ができて楽しいです。ハードウェアの設計から始めて、モノ作りの流れの中に入っていけるのは、とても面白いです。

また、最初の転職では新しい職場に慣れるのに時間がかかりましたが、今回は方言のおかげなのか、溶け込むのが早かったです。毎日、笑い合いながら楽しく働いています。

職種は前とほぼ同じですが、扱う製品が違うので最初は全然わかりませんでした。しかし、今は新しいことをやっている方が楽しいと感じるようになりました。

生活面での変化はいかがですか?

東京時代は車を持っていませんでしたが、香川では毎週車でどこかへ出かけています。海の見えるカフェなど、妻が旅行気分で「あっちへ行きたい」「こっちへ行きたい」と探してくるんですよ(笑)。妻も香川の生活を楽しんでいるようです。子どもは3ヶ月で讃岐弁を話すようになり、驚いています(笑)。子どもの適応力は本当に凄いですね。

転職してよかったと思うことは?

香川は生活自体が豊かだと感じています。私の実家が農家なので、野菜や果物が畑からそのまま家に来るんです。今年の夏はスイカをいやというほど食べました(笑)。おまけに物価も安いので、家計的にかなり助かっています。

精神的にもゆったりできるようになりました。まず、満員電車に揺られなくなったのは、本当にほっとしますね。あれはつらかったです(苦笑)。

香川は緑も多いので癒されています。実家は広いんですよ。妹の子どもと一緒に、うちの子どもが家の中を走り回ってる姿を見ると、「のびのび育てたい」という最初の目標は達成できているなと感じます。

困ってることや課題はありますか?

車での通勤です。毎日片道1時間かかります。慣れない仕事が終わった後に、慣れない運転をして、家へ帰り着くのは夜の9時頃です。途中で眠気に襲われることもあり、最初はつらかったです。しかし、週末に十分休みが取れているので、大丈夫です。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

地方で仕事を探す場合、「自分のやりたい職業があるのか?」ということがネックになりますが、心の豊かさということを考えると、自分が生まれ育ったところはいいですよ。自分の希望で、どこを譲って、どこは譲れないのかを考えながら、根気よく探してみてはどうかと思います。

私自身、「プロダクトデザインという仕事なんて、地方にはない」と思い込んでいましたが、今はほぼ近い仕事をさせてもらっています。1~2年というスパンで探し続けていると、出会いはあるものです。キャリアコンサルタントの話では、「この時期なら、こういう募集がある」というタイミングもあるようですしね。

担当コンサルタントには本当に感謝しています。諦めかけたときに、私の言葉の奥を掘り下げて、本当にやりたい仕事を提案してくれたからです。「自分の希望に合わせて提案してくれる」これは、単なるインターネット検索にはない良さだと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
佐々木 一弥

初めて面談した際に、複数の転職サイトに登録し、案件紹介を受けるものの、なかなかご自身のこれまでのキャリアを活かせる仕事に出会えず、どこかで妥協をしなければならないかなという不安を抱えられていた状態だったことを記憶しております。

仕事をしながら学校に通うなど、強いキャリア軸をお持ちであったため、妥協することなくこれまでの経験を活かせる企業との出会いを提供したいと思い、企業へのアプローチを始めると、それまで具体的な求人案件はなかった企業が「是非お会いしたい」ということになり、内定に繋がりました。

先日お会いした際には、ご自身の仕事の充実感はもちろん、ご家族も香川県での生活にとても満足していると話される笑顔がとても印象的でした。

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