転職成功者インタビュー

四国計測工業株式会社
山中正晴さん(仮名・開発職) 46歳

自動車業界から電力インフラへ。現場の一体感を求めて新たな舞台に挑む。

大手自動車メーカーで20年以上にわたりエンジン制御の最前線を走り続けてきた山中さん。地元・香川にいる両親のことを考えて2024年に香川へUターンし、フルリモート勤務を続けていた。

しかし、次第に現場で膝を突き合わせてモノづくりに向き合う張り合いを求めるようになり、香川の地場企業への転職の想いが強まっていったという。

転職活動では、自身のキャリアがどう活きるかという視点で企業を探し、電気制御機器メーカーの四国計測工業株式会社と出会う。「知識はゼロでも経験は武器になる」という言葉に背中を押され、異業種への挑戦を決意した。

現在は電力会社向けのシステム企画・設計を担当し、前職で培った課題解決のノウハウを活かしてチームに新風を吹き込んでいる山中さんに、転職の経緯や異業種への転身で見出した新たなやりがいについて伺った。

※本記事の内容は、2026年1月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで707日間

転職前

業種
自動車メーカー
職種
開発職
業務内容
エンジン制御、適合業務

転職後

業種
電気制御機器メーカー
職種
開発職
業務内容
電力会社向け製品のシステム設計

未知の世界でも、これまでの経験は必ず活きると信じて異業種へのチャレンジを決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

電力会社向けの装置やシステムの設計を担当しています。設計といっても、単に図面を引くだけではなく、実際にお客さまである電力会社に出向いてシステムのニーズをヒアリングするところから始まります。

そこからシステム全体の構成を企画し、機能要件を定義して、それを実現するためのハードウェアの設計やソフトウェアの設計部門に指示を出す、いわばプロジェクトのトリガーを引く役割を担っています。

月1回程度は県外にも出張して、デモンストレーションや提案を行っています。技術営業に近い側面もあり、お客さまの要望を形にしていく上流工程に携わっています。

入社前のご経歴を教えてください。

前職では20年以上、自動車メーカーでエンジン制御の開発に携わりました。具体的には、エンジンのコンピューター制御ロジックを考え、その制御ロジックに基づいて最適な数値を設定する「適合業務」に従事しました。

燃料を噴射するタイミングや点火時期、吸入空気量などの制御ロジック検討やその設定値決めを行う、エンジンの出力性能や燃費性能を左右する重要な仕事です。

もともと車が好きで、若い頃は「高出力のエンジンを作りたい」「走りのいい車を作りたい」という想いで働いていました。その経験を通じ、問題解決や品質管理のフレームワークが骨の髄まで染み込んでいます。

また、開発の節目では上長や親会社へプレゼンテーションを行う機会も多く、相手に伝える力や調整力といったスキルも養われました。

転職のきっかけは?

一番のきっかけは、香川県にいる両親の今後を考えたことです。まだ元気ではありますが、何かあった時にすぐ駆けつけられる距離にいたいと思い、以前から「いつかはUターンしたい」と考えていました。

実は前職でも、コロナ禍以降は香川の実家からフルリモートで勤務できていました。しかし、世の中が落ち着くにつれて会社の方針が出社回帰になっていく雰囲気を感じ始めて、リモートワークがしづらい雰囲気になってきました。

また、私自身も久しぶりに出社して同僚と顔を合わせて仕事をした時に、「やっぱり現場で一体感を持って働くのは楽しいな」と再認識したのです。

リモートで淡々と業務をこなすよりも、膝を突き合わせて課題に取り組む「張り合い」を求めていたのだと思います。そこで、実家のある香川から通える企業への転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

地元に特化した転職支援会社のリージョナルキャリア香川に相談し、実家から通える企業の求人情報を集めることにしました。

担当コンサルタントは私の希望や状況を深く理解してくれ、機械的なマッチングではなく、「私のキャリアがどう活きるか」という視点で企業を紹介してくれました。一人で考えていたら、今の会社には出会えなかったでしょう。

今の会社に決めたポイントは?

正直、当初は電力インフラの専門用語もわからず、これまでの知識を活かせるのか不安がありました。そのような状況で背中を押してくれたのは、面接での部長の言葉です。

「新しい分野に挑戦するなら、知識はみんなゼロからのスタート。それよりも、あなたが自動車業界で培ってきた仕事の進め方や経験を、うちで活かしてほしい」と言ってもらえたのです。その言葉で、「知識がなくても経験は武器になるんだ」と吹っ切れました。

また、前職の後半で車の性能向上だけでなく「故障予知システム」など、車両の点検整備に関わるBtoB寄りの仕事をした経験も大きかったです。

社内のサービス部門から「助かったよ」と感謝されたり、ディーラー点検のお客さまが増えたという声が聞こえたりと、エンジン性能向上とは違ったやりがいを感じていました。

「異業種でも誰かの役に立つ仕事ができる」と思えたことも、当社へ飛び込む決め手になりました。

文化の違いはあっても、お互いが培ってきたノウハウを伝えて吸収しあう風土がある。

転職していかがですか?

前職では主にBtoCの商品を扱っていましたが、お客さまと直接話す機会はほとんどありませんでした。今はお客さまと直接対話しながら仕様を決めていくので、刺激的で面白いですね。

先日もお客さまへのプレゼンを行ったのですが、技術的な質問をいただいたり、「こういう場合はどうなる?」と議論が深まったりして、自分の伝えたいことがしっかり届いている手応えを感じました。お客さまの声をダイレクトに聞けるのは大きなやりがいです。

もちろん、業界特有の専門用語やルールにはまだ苦労していますが、同僚が本当に親切で、手を止めて丁寧に教えてくれるので助かっています。転職者に対する壁のようなものはまったく感じません。

転職して良かったと思うことは?

自分の経験がチームの役に立っていると実感できることです。現在、私のチームで週に1回、前職で培った問題解決方法などのノウハウを共有する勉強会を開かせてもらっています。

ベテランも多い職場ですが、「今のままではいけない」「新しい知識を吸収したい」という意欲が皆すごく高くて、私の話を真剣に聞いてくれます。

「それはためになる」と言ってもらえたり、逆に「うちはこうしているよ」と教えてもらったりと、異業種から来た「外の視点」を歓迎してくれる風土があり、相互に学び合える関係が築けているのは嬉しい誤算でした。

困っていることや課題はありますか?

電力という重要インフラを担っているため、情報セキュリティが非常に厳重です。Web会議の環境構築が過渡期であるため、少し不便さを感じることがありますが、致し方ないと感じています。

また、前職では定例会議のなかでチームのナレッジを共有する文化がありましたが、現職では会議自体が少なく、個々の知見が共有されにくい面があります。

ただ、無いなら作ればいいと思い、先ほどの勉強会の時間を活用して「自業務での取り組み内容の紹介」を発信する場を作っています。

より良く文化を変えていくのも中途入社者の役割でもあると前向きにとらえており、自分が良いと思うことはどんどん提案していきたいですね。それを受け入れてもらえる風土がこの会社にはあります。

生活面の変化はありましたか?

通勤時間が長くなったのが一番の変化です。以前はリモートで通勤0分でしたが、今は高速道路を使って片道1時間かけて通っています。

ただ、会社からは「サテライトオフィスを使ってもいいし、途中で休憩してもいいよ」と柔軟な働き方を認めてもらっています。

今はまだ顔を覚えてもらうために毎日出社していますが、慣れてくるとバランスを取っていけると思います。

週末は地元の友人と会うことも増えましたし、何より両親の近くにいるという安心感は大きいです。そして、見知らぬ土地での新生活を受け入れてくれた妻と息子に感謝しています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職を決意すること自体、とても勇気がいることだと思います。特に異業種への転職は不安が大きいでしょう。でも、私の経験から言えるのは、「業界が違っても、仕事の根幹やアプローチの仕方は変わらない」ということです。

新しい知識は入ってから学べばいい。それまでのキャリアで培った「仕事の進め方」や「考え方」は、どんな場所でも通用する武器になります。四国計測工業のように、香川にも新しい風を歓迎してくれる企業がたくさんあります。

もし迷っているなら、転職支援会社の方とじっくり話し込んでみることをお勧めします。自分一人では気づけなかった強みや、背中を押してくれる言葉に出会えるかもしれません。ぜひ、自分の可能性を信じて一歩踏み出してみてください。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
溝渕 愛子

山中さんは、前職のフルリモート体制が決まる前のタイミングで転職のご相談をいただいていました。結果的にフルリモート体制が整い、その時は現職に残りましたが、一年後に再びご連絡をくださいました。

エンジニアとして重要な「現場での一体感」を求めた転職で、現在は顧客と直接対話をしながら仕様を決める上流工程に携わり、「現場で膝を突き合わせるモノづくり」の張り合いを再認識されています。

また、山中さんの自動車業界でのノウハウを伝える勉強会にチームの方々が参加されていると伺い、別々の業界で培ってきたご経験をお互いにリスペクトしながらも新たな知識を吸収して研鑽を重ねる同社の風土が表れていると感じました。

山中さんが改めてモノづくりの楽しさを実感しながら、仕事もプライベートも充実した日々を送られていることを心から嬉しく思います。

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