転職成功者インタビュー

一般財団法人 阪大微生物病研究会
小林俊介さん(仮名・施設企画) 36歳

必要とされる環境で、やりたいことができる幸せ。転職で気づいた自分の価値。

大手食品メーカーに就職し、全国各地の工場を転々としながら、機械のメンテナンス・修繕業務に携わり、製造現場の第一線でキャリアを築いてきた小林さん。そんな日々を過ごす中で、「いつか工場の立ち上げや生産ライン設計に携わりたい」という想いを抱くようになっていった。

また、転勤を繰り返す生活に将来への漠然とした不安を感じ、腰を据えて働きたいと考えた小林さんは、地元四国へのUターンを決意。しかし、転職活動を開始した当初は自身が想い描く職場になかなか出会えず、心が挫けそうになったという。

転職後、胸を張って「自分のやりたいことができている」と言えるほど充実した日々を送る小林さんに、転職のきっかけから意思決定までの過程を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2024年9月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
食品メーカー
職種
製造技術
業務内容
製造設備の計画保全、製造設備定修工事、設備更新工事、測定機器の新規導入など

転職後

業種
ワクチン開発製造
職種
施設企画
業務内容
施設の整備計画策定、施設維持管理、設備投資案件の集約、それらに関わる法令対応など

「やりたかった仕事に携わりたい」という想いから、四国へのUターンを決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

阪大微生物病研究会(以下、微研)の施設部施設企画課に勤務しています。当部署は大きく二つのチームに分かれており、一つは施設管理業務を担うチーム、もう一つは今後の会社方針などを企画するチームです。私は後者の企画チームに所属しています。

私は入社してまだ1年ですが、今は経済産業省が進めるバイオ医薬品製造拠点等整備事業に関するプロジェクトを担当しています。

当社が本事業の事業者に採択され、将来のパンデミックの際に国産ワクチンメーカーとしての機動的な供給使命を果たせるよう、新たな設備の導入を進めています。

入社前のご経歴を教えてください。

前職では食品製造業務に従事しており、全国各地の製造工場を転々としていました。主な業務は、機械の保全や設備の入れ替え、製造工程管理などでした。

その他、設備設計や仕様決めなども一部関わっていましたが、製造業務に携わりながら機械のメンテナンスや修繕を行う業務が中心でした。

転職のきっかけは?

転職のきっかけは大きく二つあります。一つ目は長年製造業務に携わる中で、工場の立ち上げや製造ラインの設計工程に携わってみたいと感じるようになったことです。具体的には、新商品を作る際の生産ラインの最適なレイアウトとプロセスを決めていく仕事に従事したいと考えるようになりました。

二つ目は、一つの土地で腰を据えて働きたいという想いからです。前職は転勤ありきの会社で、全国の工場を転々とする日々でした。もちろん、行く先々でさまざまな経験ができたものの、来年・再来年には自分がどこにいるかわからない状況に漠然とした不安を抱くようになりました。

いつかは地元に戻って働きたいという想いもあったので、それなら四国で自分が望む仕事に就きたいと考え、転職活動をスタートしました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずは大手転職サイトに登録し、転職支援会社から求人の提案を受けることにしました。何社か選考に進み内定もいただきましたが、納得のいく企業は見つけられませんでした。

条件面というよりも、人事や上長となる方と面談をする中で、採用に対する熱量が感じられなかったことが理由です。「自分である必要はないのでは」と感じることもあり、前向きに決断できませんでした。

「もう転職活動は諦めよう」と考えていた時に、リージョナルキャリア香川のコンサルタントから声をかけていただきました。四国に特化している点に魅力を感じ、一度話を聞いてみたのですが、それが大きな転機となりました。

今の会社に決めたポイントは?

所属長や部門長など、働いている方々の人柄に惹かれたことが大きかったです。何社か選考を受ける中で、微研が私の考えや想いにもっとも親身に寄り添ってくれました。

また、いろいろと話をする中で「ぜひ当社に来てほしい」という熱い想いを伝えてくれて、私自身も、選考を通じて「ここで働きたい!」という想いが強くなっていきました。

今まで経験したことがない仕事に裁量を持って取り組み、毎日新鮮な気持ちで働ける。

転職していかがですか?

私自身がもともと製造現場にいたこともあり、工場で使用する機械の仕様を決めながら製造ラインを作るといったイメージを持っていましたが、微研の場合は工場のスケールが大きいため、さまざまな部門が関わって設計や仕様の検討を進めています。

そのため、私たち施設管理部門に関しては、基本的に製造機械の細かな仕様などには関与しません。一方で、施設設備に関しては大きな裁量を持って仕事に取り組めており、今まで施設設備に関わったことがなかったので、新たな知見を得られる喜びを感じています。

また、施設設備であっても製造の経験が活かせることもありますし、製造部門の担当者から製造機器に関して相談されることも少なくありません。ですから、個人的には今の仕事に就いて、視野が広がったと感じています。

転職して良かったと思うことは?

やはり今まで携わったことがない仕事を経験できていることですね。毎日やることが違うので、日々新鮮な気持ちで働くことができています。

「新しいことに挑戦したい」という想いは、微研に転職したことで叶えられていると感じています。特に微研には、自らやりたいと手を挙げたことに対して、大きな裁量を持たせてくれるという大きな特長があります。

例えば、何か新しいプロジェクトを計画する際に追加予算が必要になったとしても、社内の調整を図り提案を行うことによって必要なことであれば柔軟な対応を取ってくれます。

実際に、現在品質管理部門と協力して数億円規模となる投資案件も行っています。このように、スケールの大きな仕事でも手を挙げれば任せてもらえる今の環境は、大きなやりがいに繋がっています。

困っていることや課題はありますか?

長年の組織運営によって得られた経験や知見によって、社内のルールやマニュアルがしっかりと整備されていますが、それが原因で変革や改善が起こりにくくなっているように感じます。

産業構造の変化や人材不足が叫ばれている中で、会社としても変わらなければならない部分が少なからずあると思います。ですから、改善が見込めるところはしっかりと意見するように心掛けています。

中途入社メンバーが多いので、周囲にも同じような課題を感じている方が多いんです。変わらないと諦めるのではなく、健全に意見を出し合うことで、もっといい会社になっていくと考えています。

生活面の変化はありましたか?

実家から近くなったことで、母親が喜んでいました。また、妹が車で1時間もかからない場所に暮らしているので、子どもを連れてたびたび会いに行っています。妹にも子どもがいるので、従兄弟同士で仲良く遊んでいますね。

私は愛媛県出身で、香川での生活は初めてでしたが、気候的には愛媛と近く、とても快適に過ごせています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職にハードルの高さを感じている方も多いと思います。私自身も転職活動中は上手くいかない時期もあり、「自分は誰にも評価されていないのではないか」と気持ちが落ち込むこともありました。

それでも諦めずに転職活動を続けた結果、今の会社から「ぜひ来てほしい」という言葉と内定をもらえたことは、とても嬉しかったです。自分を必要としてくれる環境の中で新しい経験を積み、挑戦の機会にも恵まれている今の状況は、転職によって叶えられたと感じています。

もちろん、100点満点の転職先を見つけることはなかなか難しいかもしれませんが、まずは自分が掲げる理想の未来に向けて一歩踏み出してみることも人生において必要だと感じています。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
四ノ宮 こころ

転勤を繰り返す生活への不安や、仕事でやりたいことへの挑戦を求めて転職を決意した小林さん。転職活動では大手企業から内定を得たものの、「自分が本当に必要とされる環境かどうか」という判断基準に基づき、辞退を選んだこともありました。

心が折れそうになるほどの葛藤を乗り越え、ついに望んでいた環境と出会えたエピソードからは、信じると決めたことを諦めない大切さを教えられます。インタビューでは、今の仕事での充実感に加えて、組織の課題に対して何ができるか、その先の成長や組織のさらなる可能性についても話が広がりました。

微研の人事部門がキャリア人材に期待しているのは、「業務改善や事業革新のためのヒントを提示し、組織に横串を刺してくれること」と伺っています。まさに微研が求めていた人物像に合致する小林さん。転職後、自ら手を挙げて挑戦し、周囲を巻き込んでいく姿から私自身も多くの学びを得ました。今後ますますのご活躍を期待しています。

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