研信電操株式会社
伊藤涼平さん(仮名・インフラエンジニア) 29歳
仕事もプライベートも諦めたくない。ワークライフバランスの充実をUターンで実現。
香川県出身で、就職を機に上京した伊藤さん。大手通信会社でインフラ整備に従事し、一定のやりがいを感じていたものの、どこか満たされない悶々とした気持ちを抱いていた。
仕事に充実感はあったものの、趣味である車やバイクを楽しむ環境は東京ではなかなか難しく、プライベートの充実が叶っていない状況だったという。数年の検討期間を経て、やはりプライベートも充実させたいという想いから地元香川へのUターン転職の検討を始める。
しかし、求人サイトや転職支援サービスにいくつか登録したものの、自分が希望する条件を満たす求人になかなか出会えなかった。それでも諦めずに情報を集め続け、最終的に納得できるUターン転職を実現。キャリアを諦めず、プライベートも充実させた伊藤さんに転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2024年4月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで49日間
転職前
- 業種
- 電気通信事業
- 職種
- インフラエンジニア
- 業務内容
- 通信インフラ設計および、通信インフラ構築業務
転職後
- 業種
- 通信システムの設計施工保守事業
- 職種
- インフラエンジニア
- 業務内容
- 防災領域の電気通信に関わる調査・施工・保守点検業務
地方から上京するも、仕事内容や私生活に違和感を抱いていた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
研信電操は主に国や県、自治体といった行政機関から委託を受けて電気通信関係の設備工事を行っています。具体的には防災無線の設計・施工管理・保守などです。
防災無線はダムにある水位計のデータを拾い上げ、無線で飛ばして様々なデータ解析を行ったり、遠隔で管理できるようにしたり、地震や津波といった災害が発生した際に屋外スピーカーを通して緊急地震速報や避難指示を地域の人々に知らせたりする際に活用されます。
その防災無線が不具合なく機能するよう、定期的な更新作業や新しいシステムへの置き換えを研信電操が担っています。
その中で、私は施工管理技士として資材の調達から工程管理、警察や消防との連携、報告書類の作成などを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
前職は都内の通信関連会社に勤め、大手通信会社の通信局舎間における大元のインフラ整備に携わっていました。
インフラの中でも最も重要な根幹部分を担っていたので、「社会的意義の大きな仕事に従事している」といったやりがいはありましたね。
転職のきっかけは?
仕事の面で「特にこれが嫌で」といったような動機があったわけではないので、当初は緊急度がそこまで高くなく「いつか転職できたらいいな」くらいの温度感でした。
一方、プライベート面はもう少し充実させたいと強く感じていました。もともと車やバイクが趣味なのですが、東京はどうしても地方に比べて維持費が掛かるため、所有することが難しいんです。
また、同じ趣味を共有できる友人も地元にいましたし、SNSなどで地元の友人が大型バイクを購入したと知って、正直「羨ましいな」と感じていました。
都会に憧れもあって就職で上京し、都会は都会の刺激があって充実はしていたのですが、時が経つにつれて好きだった車やバイクに関われないフラストレーションの方が大きくなっていきました。
そこで、これまでの経験を活かせる通信関係の仕事に就き、気心知れた仲間とプライベートも充実させるために香川県へのUターン転職を決意しました。
転職活動はどのように進めましたか?
はじめは求人サイトや転職支援サービスにいくつか登録して、自分で求人を探しました。しかし、業務内容や給与面など、自分が求める条件を満たした求人はほとんどありませんでした。
特に東京と地方は給与水準が異なるので、求人サイトに掲載されている情報を見ると大きく年収が下がることが想定されました。
加えて、転職活動が初めてということもあり、給与交渉をするにしても、「どうすれば良いかわからない」ということも課題でした。
そもそも通信関係の仕事はニッチな業界ですので、どうしても求人情報が限られてしまいます。ですから、自分のスキルをある程度活かしつつ、一定水準以上の年収が見込める求人を見つけ出すことに非常に苦戦しました。
そうした中で、リージョナルキャリア香川との出会いが大きな転機となりました。同社を選んだ理由としては、四国の転職に特化していることと、通信関連の業界知識も豊富だと感じたためです。
エントリー後、面談を通じてこれまでのキャリアや今後の希望などを伝え、求人をいくつか紹介いただきました。
今の会社に決めたポイントは?
可能性のある候補として挙げていただいた数社に打診してもらい、最終的に2社から内定をいただきました。最終的に研信電操に決めた理由としては、会社の雰囲気の良さに惹かれたというのが大きかったですね。
面接で会社に訪れた際の会社の雰囲気が良く、面接でやり取りをした社員の方々が非常に気さくだったことが印象に残っています。
同じ通信業界ながら取り組む内容は大きく異なっていたので不安もあったのですが、最終面接を終えた後に現場見学させてもらい、よりリアルに入社後を想像できました。
また給与面では東京で勤務していた時と同じ水準とまではいかなかったのですが、入社後の評価基準やステップアップについて説明してもらえて、入社後の活躍をイメージし納得感をもって決断できました。
妥協せず探し続けた結果、地元香川で通信関連会社への転職に成功。
転職していかがですか?
入社前に思っていたイメージと入社してから感じたイメージにギャップは全くなく、思っていた通りの会社でした。特に、雰囲気が明るく、人間関係が良いという点はイメージ通りでした。
施工管理の仕事は基本的に複数名のチームで進めるので、チームワークが非常に重要です。その点、お互いに協力し合うという文化が根付いているので、仕事もしやすいですね。
また、仕事内容は前職と大きく異なりますが、知識に関しては前職の知見が活かせる部分も少なからずあったので、新しい知識の吸収にはそこまで困らずに済みました。
わからないことがあれば先輩方が丁寧に教えてくれるので、日々助けられています。
転職して良かったと思うことは?
やはりプライベートが充実したことですね。好きな車やバイクをカスタムしたり、友人と出かけたり、思う存分楽しめています。特に施工管理は基本的に工程を自分で管理できるので、裁量をもって調整をかけられるのがありがたいです。
仕事については、自分が手を動かしてできたものを直接お客さまに納品するようになったので達成感もありますし、お客さまの反応をダイレクトに感じられるようになったのが良かった点です。
最近手掛けた工事では、トンネル内の壁に付いている非常用の電話機をすべて更新したのですが、私もよく使う道路なので自分の仕事の価値を直に感じられています。
困っていることや課題はありますか?
特に困っていることはないのですが、仕事内容が前職とすべて違ったので、慣れるまでが大変でしたね。1年くらい掛かってようやく全体の流れがわかってきた気がします。
生活面の変化はありましたか?
東京から地方に転職したことで、生活費が抑えられるようになり、生活に余裕ができました。給与についても入社当初は下がることを見込んでいたのですが、現在は東京で働いていたときと同じくらいの年収水準になりました。
特に、研信電操は資格取得を積極的に推奨しており、有資格者になると資格の種類に応じて資格手当がつくのが大きいですね。
また、そもそも有資格者でなければできない仕事も多いので、できることを増やすためにも資格取得に励んでいます。
資格は生涯使えますし、取得することで会社から新しい仕事を任せてもらえるなど、良いサイクルを生み出せているのでモチベーションに繋がっています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
Uターン転職で自身の経験を活かせる会社が思うように見つからない場合は、その地域に強い転職支援会社に依頼することをお勧めします。そうすることで、自分で求人を探している時には見つからなかった企業と出会えました。
また、都会から地方に転職を検討する場合、多くの人が年収ダウンを懸念しているのではないでしょうか。可能性を広げるという点では、公開されている求人情報だけで判断するのではなく、企業がどのような考え方で評価や昇給を考えているかといった情報収集も行い、入社後の可変要素も見据えて検討することが重要だと思います。
そうすると入社後の目標設定も明確になり、私は良いスタートを切ることができました。地方での生活は都会での生活にかかるコストとの違いも大きいので、そのあたりもシミュレーションしてみると納得のいく決断に繋がるのではないでしょうか。