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肌本来の力を引き出すお米の化粧品。誠実なモノづくりで新たな世界へ。

株式会社アイム
代表取締役社長 沼田 憲孝

更新日:2022年6月01日

1967年生まれ。香川県出身。香川大学教育学部を卒業後、1990年にアイムの前身であるアパレル通販会社シムリーへ入社。2000年に社内ベンチャー制度で発足した新規ビジネスで化粧品事業を開始し、主力商品である「ライスフォース」を香川の老舗造り酒屋である勇心酒造株式会社と共同開発。2005年に株式会社アイムとして独立、代表取締役に就任。2015年に第一三共ヘルスケア株式会社の傘下となり、同社が開発した化粧品やサプリメントの通販も担うなど、さらなる事業拡大に向け邁進中。
※所属・役職等は2022年1月24日取材時点のものとなります。

自然由来の有効成分を配合したスキンケア化粧品を、肌トラブルに悩む多くの人々へ届けたい

お米ベースの有効成分を配合し、潤い肌を育む医薬部外品(※一部を除く)のスキンケア化粧品「ライスフォース」。その企画から研究開発、製造、通販までを一貫して手掛けるのが、私たちアイムです。その効能が高く評価され、通販会員の数は350万人以上に及びます。「アイム」という社名以上に、ブランド名の「ライスフォース」の方がよく知られているようです。

ライスフォースはもともと、株式会社シムリー(後にイマージュへと社名変更)の新規事業として立ち上がりました。事業を立ち上げるにあたり、「お米由来の素材をコアにしたい」という考えは抱いていました。私はそれ以前に海外化粧品の輸入に関わったことがあり、いずれ自分でオリジナル商品を手掛けたいと思っていました。「お米」はいかにも日本らしく、国内のみならず海外でも個性が発揮できると感じたのです。もちろんライスフォースの性能が素晴らしかったのもあります。当初はドライスキンの方のための外用剤として発売したのですが、使用開始から数カ月で水分保持機能に改善傾向がみられたのです。これほど効くのなら、たくさんの方々に使ってもらえる商品にしたい。そう考え、スキンケア化粧品にスイッチしたのです。

原材料のお米づくりから、企画・研究開発・製造・販売まで

発売当初はそう上手くはいきませんでした。化粧品は、超大手がそれぞれのブランドイメージを確立し、しのぎを削っている業界です。そこにシムリーという、化粧品では無名の会社の商品が登場したところで、誰が買うでしょうか?その頃シムリーには550万人の通販会員がいたので積極的に案内したのですが、会員ですらライスフォースは全く買ってくれませんでした。

転機は、テレビ通販を始めたことです。今では通販と言えばネットが主流ですが、当時はテレビ通販が主流であり、テレビの露出が信頼度を高める最善策だったんです。社名はほとんど出さない代わりに、徹底して「ライスフォース」ブランドをアピールしました。ライスフォースがいい製品なのはわかっていたし、自分たちで開発し、容器やブランド名も考えた、我が子みたいなものです。「絶対に結果を出さなければならない」と使命感を感じて、必死でした。テレビ通販をきっかけに、ライスフォースの売上は伸び始めました。製品の良さに気付いた女優さんなどが使ってくれるようになった、といったニュースが出るたび、売上に拍車がかかっていきましたね。

今は、原材料のお米づくりから携わっています。ゼロからやりたい、田植えから手掛けたいという思いは、事業開始時点から抱いていました。お客様の「美と健康」に関わる商品を提供している以上、原材料から責任をもって携わりたい。フェアにやりたい。だから、素材づくりから丁寧にやろうと思ったのです。

ライスフォースのラインアップ拡充に加え「リゲイン」ブランドも

ライスフォースのメイン顧客層は40~50代の方ですが、もう少し裾野を広げ、10代・20代から使い始め、60代・70代になっても愛用頂けるブランドに育てたいと考えています。そのため商品ラインアップを拡充し、いろんな世代のお客様のご要望に応えられるようにしていきたいですね。

当社にはスキンケア商品に加え、「リゲイン」というヘルスケア商品の柱があります。アイムの親会社である第一三共ヘルスケア社が開発し、当社で販売を担っている商品です。私と同世代の方なら、「24時間戦えますか?」というキャッチフレーズでリゲインをご存じの方も多いと思いますが、今の時代に適応したサプリメント商品として、ロゴマークもオリジナルで再考し、リブランディングしました。疲労回復効果のあるものだけでなく、胃腸の疲れをとるもの、睡眠の質を高めるもの、美白関連など、指定医薬部外品をこれから次々に展開したいと考えています。簡単ではないでしょうが、「美と健康を届ける」というコンセプトに沿った商品ばかりで、挑戦する意義は小さくありません。リゲインを始めとする第一三共ヘルスケア社開発の商品群で、150万人の顧客数もある。いろんなアプローチができると思います。

約500万人の顧客データから、仮設を立て、新たな動きを起こす

当社には、製品開発や販路開拓など、いろんな立場で活躍してくれる人材が必要です。ライスフォースは機能アップやラインアップ拡充など、あらゆる面で進化させないといけないし、新商品開発もあるでしょう。当社には、自社で商品開発を行っている自然素材を軸とするナチュラル領域と、第一三共ヘルスケア社が商品開発を行う医薬に近いメディカル領域があるので、知識や経験を発揮できるチャンスは多いのではないでしょうか。

新たな売り方も考えていかないといけません。通販の主流がネットに移り、手法もどんどん変わっています。SNSなどもうまく活用し、未開拓だった顧客層にリーチしていくやり方を確立していかなければなりません。より重要なのが、当社の顧客データを読み解き、効果的に利用することを考えて実行できる人ですね。当社にはライスフォース350万、第一三共ヘルスケア系商品150万の約500万人という顧客数があります。ほぼ単一のブランドでここまで会員を保有しているというのはあまりないケースです。データを分析し、仮説を立て、実現可能なサービスを考案し、プランが決まったら、自ら先頭に立ち、ビジネスを具体化させていく。そういったデータアナリスト・データサイエンティストが必要です。

「美と健康」に対して誠実であれば、どんな形があってもいい

当社の社員には、「アイムを化粧品会社にするな」とよく話しています。化粧品や医薬部外品を開発し販売する会社であることは確かですが、それがゴールだと思ってほしくない。約500万人の会員リソースを活用し、美と健康につながると思ったら、新たなことを始めてもらっていい。そういう新しい動きは、社員に積極的に活躍してもらいたいと思っています。だからSNSを活用した新たな通販形態などは、若手社員にマーケティングからやってもらっています。ITを使った新たなスタイルは今後もいろいろ出てくると思いますが、それらはデジタルネィティブの彼らに任せる方が、可能性が高いのは明らかですからね。

いずれは輸出も考えています。既に52ヶ国への販売実績はありますが、まだ本格的な海外進出とは言えません。ブランド力のある強豪がひしめく海外市場ですが、「お米」素材のライスフォースなら、独自の展開ができるでしょう。どうせならやはり、本物が揃う欧州市場で勝負したいですよね。外国語が得意な社員にはいつでも任せられるよう、「よろしく」と声をかけています。
 
新製品開発、自然素材を軸としたナチュラル系商品と医薬に近いメディカル系商品それぞれのブランディングや販路開拓、海外進出、そして約500万人のデータを基に仮説を立て、新たな手法、もしくは新たなビジネスを企画して実行する推進役…まだまだ多くの人財が必要です。私たちは常にフェアで誠実に仕事に向かい合うことを心がけています。「美と健康」を大切に考える人々の人生の充実に少しでも貢献するのが、私たちの役割です。そんな思いに共鳴してもらえる方々に、事業を担っていただきたいですね。

編集後記

コンサルタント
山下 裕記

沼田社長への取材を通じて「美と健康」への誠実かつ真摯な想いを強く感じました。お米をベースとし、そのお米作りから企画・研究開発・製造・販売までオリジナル商品にこだわって今日まで一心に貫いてきた姿勢があるからこそ、今世界中で多くの方々に「ライスフォース」が支持されています。そして今後、これまでに得てきた膨大な顧客データの分析を通じ、次世代メンバーを中心に新たな「美と健康」に向けたサービスが生まれていくのでしょう。香川県から日本中、そして世界中へ、フェアで誠実な挑戦に期待し胸が膨らみます。

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